2012年3月28日 水曜日
どーも。
弁解のしようもないほどに久しぶりの、
カメテツのカメの部分です。(^^;)
つまりは、カメラ・レンズ修理回です。
目的としては、自分がカメラ修理のスキルを習得するまでにお世話になったサイトのように、自分も同じ境遇の誰かのためになれれば!と載せているものです。ホントに久しぶりですが…。(;‾ー‾)ゞ
今回だけは前置きもなしに、ちょっとマジメにいく回なのであります。
小物ばっかり修理していた時分、弁解のしようもないほどに?大物が入ってきたので、特別回としてピックアップしてみたのです。
Canon EF28-70mm F2.8L USM
故障症状としては、
● 広角側・望遠側問わず
ズーム機構が途中で引っかかって最後まで伸びきらないときがある
●
中でカラカラと音がする
●
レンズ前部がガタついている
といったものです。
とくに、レンズ部のガタつきについては、この型は特に起こりやすいようで、また、他にもズームEFレンズには少なくとも起こる可能性のある症状のようなので、参考になればと思います。
これらの修理のために分解してみましたので、その手順を覚え書き程度に載せておきます。
1.マウント接点のネジ2本・マウント固定ネジ4本を外す。
2.マウントを少し浮かせ、内側から黒いカバーのツメをマイナスドライバーなどで慎重に外す。
(ツメを折っちゃわないように注意! 接点ケーブルの切断にも注意!)
3.マウントを外し、その下の部品を外す。(ネジ固定はない)
4.電子基板に固定されているすべてのケーブルを外す。
(先の細いピンセット・マイナスドライバーなどを使うと有効。切断に細心の注意!)
5.基盤を外し、ズーム連動機構の金具のネジ2本を外す。
(自分がやった個体はめちゃくちゃ固くて、ネジをなめてしまいました。ネジ自体もあまり強くないようなので注意が必要そうです。)
6.ズームリングを外し、同一面上にあるネジ5本を外す。 ネジは長め。
7.フォーカス窓付きの部品を丸ごと外し、その下のネジ6本を外す。
(部品は丸ごとガッポリ抜けます。 その下のネジは2本ずつ、3か所で6本あります。)
8.フォーカスリングの機構を外す。
(これもまたガッポリ抜けます。)
↑が引っ掛かって簡単に抜けないときは、
赤帯のすぐ近くに小さいネジが一本だけありますので、それを外します。
すると、赤帯部分が全体的に少し回って、前玉方向に抜けるようになります。
出てきたレンズ群部分を見ると、どこかしらの固定ネジが緩んでいるはずです。
こんな風に。
これの内側にあるはずの、いわばナットのような
部品が外れて、レンズ内で暴れまわっているために、このような症状が出てしまうようです。
また、引っかかっているのも、この出っ張っているネジのせいのようです。
問題の部品。
どこかが折れているわけではなかったので、修理が容易で助かりました。。。
外れてしまった受けの部品は、レンズを伸ばした状態から隙間に入れてやると、うまいコト元の位置に戻しやすかったです。
(ネジ3本を外し、前玉部分を外す必要があります。)
ユルんでいた部分のネジ、同一箇所のほかの2本も非常にユルんでいました。 締めすぎると今度はズームトルクが重くなってしまうようなので、程よい締め方で留めておかなければならないようです。
…この構造、再発も十分にあり得そうな気がするですが…。
それに、今はまだ故障の出ていないレンズも、ユルみ始めていないか心配になってきそうな構造でした。。。
バラしたレンズを元に戻す際は、ケーブルの位置関係などからマウントと照合すると、正しい方向に部品をはめなおせると思います。
受けの部品が潤滑油まみれでレンズ鏡胴内を暴れまわっていたとすると、光学レンズのほうに問題が起きている可能性もあるので、十分に観察が必要ですね…。
Lレンズと言う割にはずいぶんと分解の容易なレンズでした。
…こんなもの、分解する猛者なんているの…?!(;‾д‾)